看護の大学奨学金制度について
大学で利用できる奨学金制度は、各大学によって様々です。大学独自の奨学金制度のほか、一般的にどの大学でも申請ができる「日本学生支援機構(旧日本育英会)」の奨学金が有名です。
また、看護学科では将来有望な看護師を確保するために、大学付属病院や地域の病院から奨学金が貸与されるケースもあります。原則として各奨学金は他の奨学金と併用することができないのが一般的。ここでは日本学生支援機構の奨学金制度の他、いくつかの奨学金をピックアップします。
※詳細は各大学のホームページやパンフレット、奨学金窓口でご確認ください。
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主な奨学金の種類
奨学金は大きく分けて、以下の4つの種類に分けることができます。
1.大学独自の奨学金制度
私立大学では特に大学独自の奨学金制度が充実している大学が多くあります。
また、特に看護学部や看護学科では、大学病院などの関連医療施設に就職することを前提とした看護学生奨学金制度を設置している大学も見受けられます。
この場合には、条件によって奨学金の返済免除などの制度もあるので、興味がある方は必ず大学の学生課奨学金窓口で、どういった奨学金があるか、どのような条件なのかを聞き、相談してみよう。
【帝京大学の例】
例として帝京大学(医療技術学部看護学科)の場合で、帝京大学独自の奨学金として設置されているものをピックアップしてみます。※2012年次の情報です。
1.帝京大学グループ看護学生奨学金制度
この制度では看護学科卒業後に帝京大学グループの各病院に看護師、助産師として勤務する人を対象に奨学金の貸付けが行われます。条件によって返済が免除される場合もあり。
貸付金額 | 月額30,000円 |
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※帝京大学独自の奨学金制度です
2.帝京大学 奨学特待生制度
医療技術学部の一般Ⅰ期で基準点以上の成績の人は奨学特待生とされます。
看護学科の場合は下表Cコースが対象。
Aコース | 入学金半額・1年次授業料全額免除 |
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Bコース | 入学金・1年次授業料ともに半額免除 |
Cコース | 1年次授業料の年額20万円の減免 |
※帝京大学独自の奨学金制度です
3.冲永奨学金
特に優秀な学業成績をおさめ、優れた人物であり、健康である人で、かつ経済的理由により就学が困難である人。 学科在籍者の1%以内を定員とし、修得単位数によって選考される。
第1種 | 募集年度の学費(授業料1年分)の全額免除 |
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第2種 | 募集年度の学費(授業料1年分)の半額免除 |
※帝京大学独自の奨学金制度です
4.後援会奨学金
※帝京大学独自の奨学金制度です
5.帝京大学スカラシップ制度
2年生以上で、前年度の成績上位3%以内の人が対象。
減免金額 | 年額20万円の授業料減免 |
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※帝京大学独自の奨学金制度です
6.兄弟姉妹の入学金返還制度
兄弟が帝京大学の学部に在籍している場合に、新たに帝京大学に入学する学生の入学金が返還されるユニークな制度。
対象金額 | 入学金の全額返還 |
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※帝京大学独自の奨学金制度です
7.帝京大学特別奨学金制度
父親など、家計支持者の死亡・失職などにより家計状況が急変し経済的に修学困難となった人が対象。
Aランク | 年額30万円 |
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Bランク | 年額20万円 |
Cランク | 年額10万円 |
※帝京大学独自の奨学金制度です
このように経済的に厳しい世帯の学生は、大学独自の制度によって授業料の貸付や給付・免除が受けられるようになっています。奨学金については、希望する各大学のホームページやパンフレットに記載されているのでチェックしてみよう。
2.日本学生支援機構
対象者:人物・学業ともに優秀かつ、健康であって、経済的理由により就学が困難である学生。
第一種奨学金(無利子)』と『第二種奨学金(有利子)』の2種類があり、推薦基準は学力・家計・人物・健康(所得の種類、世帯の構成、通学形態、等)を考慮して推薦し、日本学生支援機構の審査を経て採否が決定されます
第一種奨学金 平均3.5以上
第二種奨学金 平均水準以上
第一種奨学金(利息なし)
自宅通学者 30,000円/54,000円
自宅外通学者 30,000円/64,000円
第二種奨学金(有利子) 3万円、5万円、8万円、10万円、12万円のうちより選択
奨学金の給付と貸与の違いについて
奨学金といえば、入学金や授業料を免除されるようなイメージを持ってしまいがちですが、基本的には返済が必要な融資と考えていたほうが無難です。
給付型奨学金
「給付」となっている場合は、返済が不要であることを意味している場合が一般的です。
この場合は条件が成績優秀者など、やや厳しい条件下で、対象人数も少ない狭き門ですが、借金とはならないので家系的にも大変助かる制度です。
希望大学で給付型の奨学金制度があることがわかったら、その条件を満たせるかどうかをよく検討してみるとよいでしょう。
貸与型奨学金
基本的に貸与型の奨学金の場合、借金と同様で、卒業後に毎月一定額を変換していきます。
日本学生支援機構のように、利息がつくもの、つかないものがありますが、一般の金融機関の融資と比べると格段に低金利(2~4%)となっています。
また、奨学金によっては、指定の施設や特定機関に就職するなどといった特定の条件を満たせば返還が免除されるケースもありますので、よく調べて計画的に利用したほうが後々有利になる場合もあります。
奨学金以外の免除や教育ローン等
奨学金以外では、大学の学費免除制度や国の教育ローンを利用することもできます。
※詳しくは各大学のホームページで確認してください。
大学の特待生などの授業料一部免除制度
成績の特に優秀な人で、経済的困難な人が対象。10人未満の数名が対象となることが多い。
国の教育ローン(日本政策金融公庫)
学校に入学する人の保護者が対象の教育ローン。世帯の年間収入が規定の上限額内であり、
勤務状況、所得、借入状況、住宅ローンなどの返済状況などによって審査する。
学生一人につき300万円まで(1年間単位)
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